( 診療案内 )

【栄養療法の視点】アレルギー性鼻炎(花粉症)

アレルギー体質は“栄養”でも変えられます

毎年つらい「花粉症」、あきらめていませんか?

  • 「目がかゆくて朝からつらい」
  • 「鼻水が止まらず、仕事に集中できない」
  • 「薬で症状は抑えられても、眠気やだるさが残る」

そんな花粉症の季節、「仕方ないもの」と思っていませんか?

実はこの症状、体の中の“炎症体質”や“腸内バランス”の乱れが背景にあります。
オーソモレキュラー栄養医学では、「アレルギー=免疫の暴走」を食事と栄養の力で穏やかに整えていきます。

アレルギー体質をつくる3つの背景

花粉症は、単なる“外からの刺激”ではなく、内側の免疫システムの過剰反応で起こる症状です。
オーソモレキュラーの視点では、以下の3つの要素が密接に関係しています。

腸内環境の乱れ

  • 腸は免疫細胞の7割以上が集まる「免疫の司令塔」。
  • 腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、免疫が過敏になり、アレルギー反応が起きやすくなります。

過度な糖質摂取、添加物、抗生物質の使用などが腸内環境を乱します。

バリアの破綻(粘膜の弱化)

  • 鼻や目の粘膜は、外敵から体を守る“第一の防御ライン”。
  • 亜鉛、ビタミンA、ビタミンD、オメガ3脂肪酸などが不足すると、このバリア機能が低下します。

粘膜が乾燥・損傷しやすくなり、花粉が入り込みやすくなります。

炎症を促進する栄養バランス

  • 現代人の多くは、炎症を促す脂(オメガ6)を過剰に摂取しており、炎症を抑える脂(オメガ3)が不足しています。
  • 加えて、抗酸化栄養素(ビタミンC、E、グルタチオンなど)の不足も、慢性的な炎症を助長します。

身体の“火種”が大きくなると、花粉などの刺激に過敏に反応しやすくなります。

栄養療法でできること

オーソモレキュラー栄養療法では、「症状を抑える」のではなく、「なぜ過剰反応してしまうのか?」という根本原因にアプローチします。

血液検査

  • アルブミン/フェリチン(たんぱく・鉄の状態)
  • 亜鉛/銅バランス
  • AST/ALT/γ-GTP(肝機能・代謝力)
  • 好酸球・IgE・CRP(アレルギー・炎症指標)
  • ビタミンD・HbA1c(免疫調整と耐糖能)

数値の「正常・異常」のみでなく、“栄養学的な意味”を読み取ります。

医療用サプリメントによる栄養補充

D5000ミセル

ビタミンDはカルシウムと相性が良い脂溶性ビタミンの一種で、様々な働きを持っています。
紫外線を浴びることが少なくなった現代人には不足しがちで、積極的に補給したい栄養素です。
『D5000 ミセル』は利用効率の高いビタミンD3と、リコピン、トコフェロール、トコトリエノールを配合しました。ミセル(乳化型)加工により、体によく吸収されます。

免疫機能を調整し、その暴走を抑える働きが期待されます。血中濃度を十分に高くすることが重要です。一般的には、骨やミネラル代謝の観点から「30ng/ml」以上で充足するという基準ですが、免疫調整機能の観点からは、「60ng/ml」以上を目標としています。
※採血での検査項目:25(OH)D

レチノールミセル

ビタミンAは脂溶性ビタミンの一種で、様々な働きをもっています。魚を食べる機会が減少した現代人に不足しがちで、積極的に補給したい栄養素です。
『レチノール ミセル』は、ビタミンA(レチノール)を高容量に配合し(3万IU/1粒)、副原料にもこだわりオリーブオイルを使用しました。ミセル(乳化型)加工により体によく吸収されます。

ビタミンA(レチノール)は粘膜の健全性を維持し、腸管免疫と同様に注目される「粘膜免疫」を調整する働きが期待されます。ビタミンDとの相乗作用も期待され、ビタミンDだけでは十分な効果が得られない場合におすすめです。

グルタミン ビオ

グルタミンは体内に最も多く存在するアミノ酸で、健康維持に欠かせません。疲れが溜まっている時、運動した時、お酒を飲んだ時や体にストレスがかかっている時などに大量に消費されるため、積極的に補給したい栄養素です。
『グルタミン ビオ』はグルタミン、共に働くグリシンを配合しました。さらに、16種の乳酸菌が生み出した、様々な働きが確認されている“乳酸菌生産物質”も組み合わせています。

腸のエネルギー源となり、腸粘膜を修復・保護することで「腸管免疫」を調整する働きが期待されるアミノ酸です。

花粉症シーズンに備えて実践したい生活習慣

  • 花粉シーズンの2〜3ヶ月前から腸内環境と栄養を整える
  • 外食・加工食品を減らし、自然な素材を中心に
  • 発酵食品(味噌、ぬか漬け、納豆)を毎日ひとつ
  • 夕食の糖質を控えめにし、寝ている間の炎症を抑える
  • 十分な睡眠と軽い運動で代謝・排泄力を高める

まとめ

「私は花粉症だから…」と、毎年薬に頼りながらやり過ごすのではなく、
“反応しにくい体”をつくることは可能です。

それは、薬ではなく「食べ方」と「栄養状態」を整えることで実現できます。
オーソモレキュラー栄養医学のアプローチでは、その原因に丁寧にアプローチしていきます。

栄養療法に興味がある方は、お気軽に当院までご相談ください。

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