「最近ちょっとお腹まわりが気になる…」「健診で血糖やコレステロールが高めと言われた」
そんな経験はありませんか?
こうした小さなサインが積み重なると、将来的に心臓病や脳卒中、糖尿病などにつながることがあります。
その背景にあるのがメタボリックシンドロームです。
ただ“太っている”ということではなく、体の中で複数のリスクが同時に進んでいる状態を指します。
「でも、どこから気をつければいいの?」
「自分はメタボなのか、ただの生活習慣なのか…」
そんな疑問や不安を持たれている方も多いと思います。
このページではメタボリックシンドロームについて解説していきます。
メタボリックシンドロームとは?
お腹まわりの脂肪(内臓脂肪)が増え、そこに
- 高血糖
- 脂質異常(中性脂肪や善玉コレステロールの異常)
- 高血圧
といったリスクが複数組み合わさった状態を指します。
診断の目安(日本の基準)
- 腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上
- 上記に加えて以下のうち2つ以上
- 中性脂肪150mg/dL以上、または治療中
- HDLコレステロール40mg/dL未満
- 血圧130/85mmHg以上、または治療中
- 空腹時血糖110mg/dL以上、または治療中
「いくつかのリスクが重なる」ことで、動脈硬化や糖尿病、心筋梗塞・脳卒中のリスクが高まります。
なぜ気をつけるべき?
- 心臓病や脳卒中、糖尿病のリスクが上昇
- 腎臓にも負担がかかり、慢性腎臓病の原因になることも
- たとえ数値の異常が軽度でも、組み合わさることでリスクが増す
つまり「少しだから大丈夫」ではなく、「少しずつでも、重なると注意が必要」なのです。
生活習慣の改善が重要
食事の工夫
- 脂肪の摂取は20〜30%以内に抑える(若い世代では25%以下が望ましい)
- BMI(体格指数)の目安
- 18~49歳:18.5〜24.9
- 50~64歳:20.0〜24.9
- 65歳以上:21.5〜24.9
- 食事は「よく噛んでゆっくり」、血糖の急上昇を防ぎ、満腹感が得られやすくなります
運動習慣
- 1日30分、週150分を目安にウォーキングや軽い筋トレ
- 「続けられること」が何より大切です
睡眠とストレス
- 睡眠不足や強いストレスは食欲や代謝の乱れにつながります
- リラックスできる習慣を取り入れましょう
それでも生活習慣を変えるのは難しい?
頭ではわかっていても、なかなか続かないこともありますよね。
その背景には…
- 忙しさで時間がとれない
- ストレス解消に食べることが習慣になっている
- 運動をどう始めたらいいかわからない
- 「どうせ変われない」と感じてしまう
といった、さまざまな事情があります。
ここで大切なのは「できない自分を責めないこと」
一人ひとりに大切にしている価値観や生活の背景があるからです。
いろはなクリニックでできること
当院では、メタボリックシンドロームに対して、患者さん一人ひとりの価値観を大切にしながらサポートを行っています。
現状を知る:健診・検査
- 腹囲・血圧・血液検査でリスクを“見える化”
- 数字だけでなく体調や生活習慣も一緒に確認します
治療の目標設定
- 「なぜ健康でいたいのか?」を一緒に探ります
- 旅行、仕事、趣味、家族との時間…その人の思いに沿った目標づくりを行います
薬物療法
- 必要に応じて薬物療法も行い、安全にリスクを下げます
- 「薬+生活習慣+体質改善」をトータルにサポートします
漢方(東洋医学)による体質改善
- 「冷えやすい」「疲れやすい」「ストレスで食欲が乱れる」など、西洋医学では拾いにくい不調にアプローチ
- 体質そのものを整えることで、生活習慣の改善がスムーズになります
オーソモレキュラー栄養療法
- 血液データを活用し、不足しがちな栄養素を補う
- 食事+必要に応じたサプリメントで「体が変わる」実感を得やすくします
※オーソモレキュラー栄養療法は自費診療となります
定期的な経過観察
- 数値の変化だけでなく「体が軽くなった」「よく眠れるようになった」といった日常の変化も一緒に確認
- 継続できないときも「なぜできなかったか」を一緒に考え、常に次につながる診療を心がけます
まとめ
「生活習慣を変えましょう」と言われても、なかなか一歩が踏み出せないのは自然なことです。
だからこそ、当院ではその人らしい価値観や生活背景を尊重しながら、無理なく続けられる方法を一緒に探します。
西洋医学に加え、漢方や栄養療法も含めたホリスティックな視点でサポートし、「健康のために」だけでなく「自分らしい人生を長く楽しむために」取り組める医療を目指しています。
いろはなクリニックは、皆さん一人ひとりに寄り添いながら、健やかな未来をともに育んでいきます。