「階段を上がるとすぐ息が切れる」「足のむくみが取れない」「最近体重が急に増えた」
こうした症状は、もしかすると心不全(しんふぜん)のサインかもしれません。
心不全は、心臓の力が弱まり全身に血液を十分に送れなくなる病気です。
突然発症して命に関わることもあれば、少しずつ進行して日常生活に影響を及ぼすこともあります。
この記事では、
- 心不全とはどんな病気か
- 急性と慢性の違い
- 注意すべき症状や検査・治療
- 日常生活で気をつけたいポイント
をわかりやすく解説します。
「年齢のせいかな?」と思っていた症状が、早期発見のきっかけになるかもしれません。
心不全には2つのタイプがあります
急性心不全
- 突然発症し、命に関わる緊急の状態です
- 息が苦しい、冷や汗、むくみが強い、意識がもうろうとするなどの症状が出ます
- 救急搬送・入院治療が必要になります
慢性心不全
- 徐々に進行するタイプで、息切れ・むくみ・疲れやすさが長く続きます
- 軽い症状でも放置すると悪化し、急性増悪(急に悪くなること)につながります
- 薬や生活改善、定期的なフォローが欠かせません
心不全の主なサイン
- 息切れ(階段や坂道で苦しい/夜間に息苦しくて目が覚める)
- 足首やふくらはぎのむくみ、体重の急な増加
- 体のだるさ、動悸
- 食欲がない、お腹の張り
「年齢のせい」と思ってしまうこともありますが、心不全のサインかもしれません。
診断に使う検査
心不全は症状だけで判断できないため、検査を組み合わせて診断します。
- 心電図:脈の乱れや心臓の負担を確認
- 胸部レントゲン:心臓の大きさや肺に水がたまっていないかを確認
- 血液検査(BNPなど):心臓にどれだけ負担がかかっているかを調べます
- 心エコー(超音波検査):心臓の動きや収縮する力を詳しく調べます
治療の考え方
急性心不全の場合
- 入院のうえ、酸素投与や点滴(利尿薬・血管を広げる薬など)が行われます
- 心不全になっている原因を検索し、専門的な治療(カテーテル治療)などが行われる場合もあります。
慢性心不全の場合
- 薬の治療:心臓の負担を軽くし、働きを助ける薬を使用します
- 生活習慣の改善:塩分を控える・禁煙・体重管理・適度な運動
日常生活で気をつけたいこと
- 塩分を控える(1日6g未満が目安)
- 毎日体重を測り、2〜3日で2kg以上増えたら注意
- 水分量の調整(医師の指示に従いましょう)
- 規則正しい生活と十分な睡眠
- 薬を自己判断でやめず、きちんと続ける
いろはなクリニックでできること
心不全は専門的な病気ですが、日常の小さなサインを見逃さないことがとても大切です。
当院では、
- 息切れやむくみなどの症状に対する問診と診察
- 心電図・胸部レントゲン・血液検査による初期評価
- 必要に応じて高度医療機関(循環器専門医)への紹介
- 生活習慣(塩分・食事・運動・服薬)の具体的なアドバイス
- 栄養や東洋医学も含めたトータルケア
を行っています。
「最近息切れが増えた」「むくみや体重増加が気になる」など、少しでも不安がある方はお気軽にご相談ください。早めの受診が、重症化を防ぐ第一歩になります。
まとめ
心不全は「心臓の働きが弱っている状態」を指し、急性型は命に関わる緊急疾患、慢性型は徐々に進行する病気です。症状を軽視せず、早期発見・治療・生活改善を続けることで、安心して日常生活を送ることができます。