
気管支喘息は、空気の通り道である気道に慢性的な炎症が起こり、
刺激に対して気道が過敏になることで、気道が狭くなったり広がったりを繰り返す病気です。
その結果、咳・ゼーゼー(喘鳴)・息苦しさ・胸の苦しさといった症状が、発作的に、あるいは繰り返し出現します。
症状は夜間や早朝に出やすいことが多く、良い時期と悪い時期を繰り返すのが喘息の特徴です。
このページでは気管支喘息について説明します。
こんな症状が続く場合はご相談ください
以下のような症状がある場合、喘息の可能性があります。
- ゼーゼー・ヒューヒューという音を伴う呼吸
- 息苦しさ、胸が締めつけられる感じ
- 咳が長く続く(特に夜・早朝・運動後・冷たい空気で悪化)
- 風邪が治った後も咳だけが3週間以上続く
※喘鳴がはっきりしない「咳だけの喘息:咳喘息」もあり、症状だけで判断できない場合も少なくありません。
喘息の診断について
喘息の診断では、症状の経過に加えて、
気道が一時的に狭くなり、治療によって改善する(可逆性)という特徴を確認します。
主な検査
- 呼吸機能検査
吸入薬の前後で息の出やすさがどの程度改善するかを確認します。 - ピークフロー測定
日内変動(朝と夕方の差)が大きい場合、診断の参考になります。 - 炎症の指標(補助的検査)
呼気一酸化窒素(FeNO)や血液検査(好酸球)などを、必要に応じて参考にします。
※呼気一酸化窒素検査は当院では実施しておりません。
また、喘息と似た症状を示すCOPD(慢性閉塞性肺疾患)や心疾患、感染症などを除外することも重要です。
特に喫煙歴のある方や40歳以上の方では、慎重に判断します。
喘息治療の基本的な考え方
喘息治療で最も大切なのは、発作が起きた時だけでなく、「発作を起こさない状態を保つこと」です。
喘息では、症状がない時でも気道の炎症が残っていることが多く、「軽症」に見えても、突然強い発作を起こすことがあります。
そのため、喘息と診断された場合には、吸入ステロイド薬を含む治療を早期から行うことが推奨されています。
吸入ステロイド薬について
吸入ステロイド薬は、気道の炎症を抑え、
- 症状を軽減する
- 発作の回数・重症度を減らす
- 喘息による入院や重篤な増悪を防ぐ
といった効果があります。
全身のステロイド薬と比べて、体への影響は非常に少なく、適切に使用すれば安全性の高い治療です。
※症状が改善しても、自己判断で中止しないことが大切です。
発作が起きた時の対応
発作時には、速効性のある気管支拡張薬を使用します。
症状が軽い場合は吸入で改善することが多いですが、効果が不十分な場合や、症状が悪化していく場合は、早めに医療機関を受診してください。
以下のような症状がある場合は、早急な受診が必要です。
- 息苦しくて横になれない
- 会話がつらい
- 吸入しても改善しない
- 夜間〜早朝に急激に悪化した
コントロールがうまくいかない場合
治療を強化する前に、次の点を確認することが重要です。
- 吸入薬の使い方が正しいか
- 毎日きちんと使用できているか
- 喫煙、アレルゲン、風邪、ストレスなどの影響
- 鼻炎・副鼻腔炎・胃食道逆流などの併存症の有無
これらを見直すことで、症状が改善することも少なくありません。
日常生活での注意点
- 吸入薬は症状がない日も継続しましょう
- 喫煙者の方は禁煙を強くおすすめします
- アレルギー性鼻炎がある場合は、同時に治療することが重要です
- 体調が安定すれば、運動は制限する必要はありません
妊娠中・ご高齢の方の喘息について
- 妊娠中の喘息発作は、母体・胎児ともに負担となるため、
治療を中断せず、適切にコントロールすることが大切です。 - ご高齢の方では、COPDとの合併や吸入手技の問題があるため、定期的な確認と丁寧な指導が重要になります。
いろはなクリニックで出来ること
当院では、「発作を抑える治療」と「発作を起こさない治療」の両立を重視しています。
症状や生活背景に応じて、吸入薬の選択・使い方を丁寧に説明し、無理のない治療を一緒に考えていきます。
咳や息苦しさが続く場合、「年齢のせい」「体力の問題」と自己判断せず、どうぞお気軽にご相談ください。