( 診療案内 )

不眠症治療アプリ「Medcle: メドクル」

睡眠薬に頼りすぎない不眠症治療

眠れない状態が続くと、日中のだるさ、集中力の低下、気分の落ち込み、仕事や学業への支障につながることがあります。
不眠症の治療には、睡眠薬による薬物療法だけでなく、睡眠習慣や眠りに対する考え方を整える治療があります。
いろはなクリニックでは、医師の診察のもとで使用する不眠症治療アプリ「Medcle: メドクル」による治療を開始しました。

Medcleは、不眠障害に対する認知行動療法(CBT-I) の考え方をもとに作られた医療機器プログラムです。睡眠表、睡眠衛生指導、睡眠時間制限療法、刺激制御療法、認知療法などをスマートフォンアプリ上で行います。

このページでは、不眠症治療アプリMedcleについて説明します。

Medcleとは

Medcle は、サスメド株式会社が開発した不眠障害用の治療支援アプリです。

一般的な睡眠記録アプリや健康管理アプリとは異なり、医師の診察・管理のもとで使用する医療機器プログラムです。使用目的は「不眠障害の治療を支援する目的で使用される」とされています。

主な機能は以下です。

  • 睡眠表
  • 睡眠衛生指導
  • 刺激制御療法
  • 睡眠時間制限療法
  • 眠気検査
  • 認知療法
  • 不眠尺度の評価
  • プッシュ通知
  • 良い睡眠のための知識

スマートフォンにインストールして使用します。対応環境は、Android 8以上、iOS 15.0以上、日本のタイムゾーン、日本語環境です。

睡眠薬だけに頼らない不眠症治療

不眠症の治療では、睡眠薬が有効な場合があります。一方で、眠れない原因や生活リズム、睡眠に対する不安、寝床での過ごし方などが不眠を長引かせていることもあります。

Medcleでは、不眠症に対する認知行動療法(CBT-I) の考え方をもとに、睡眠の記録を取りながら、眠りに関係する生活習慣や行動を見直していきます。

「睡眠薬をできるだけ増やしたくない」
「薬に頼りすぎずに不眠を改善したい」
「自分の睡眠の状態を記録しながら治療したい」

このような方にとって、治療選択肢の一つになります。

ただし、Medcle はすべての不眠症の方に使用できるわけではありません。診察で症状、持病、内服薬、勤務形態、他の睡眠障害の可能性などを確認したうえで、使用できるかどうかを判断します。

Medcleの対象となる方

Medcle は、不眠障害と診断された方のうち、症状が軽症から中等症で、薬物療法が適さない、または睡眠薬による治療に同意しない方を対象に検討する治療用アプリです。

具体的には、以下のような症状があり、日中の生活に支障が出ている方が対象になります。

  • 寝つきが悪い
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 朝早く目が覚めて、その後眠れない
  • 睡眠時間が足りない
  • 眠った感じがしない
  • 日中の眠気、だるさ、集中力低下がある
  • 睡眠についての不安が強い
  • 睡眠薬に頼りすぎたくない、または薬物療法に不安がある

適正使用指針では、対象患者の条件として、不眠障害の診断を受けていること、不眠症状が軽症から中等症であること、下記に示す対象外患者の条件に抵触しないことが条件となります。

対象外となることがある方

以下に該当する場合は、Medcle の対象外となるります。

  • 重症の不眠障害の方
  • 2種類以上の睡眠障害治療薬を服用している方
  • 精神疾患がある方
  • 中等度以上の身体疾患がある方
  • 不眠障害以外の睡眠・覚醒障害が疑われる方
  • 交代勤務・夜勤がある方
  • スマートフォン操作やアプリ内容の理解が難しい方
  • 医師がアプリ治療に適さないと判断した方

睡眠障害治療薬には、一般的な睡眠薬だけでなく、眠気を目的として就寝前に服用する抗うつ薬や抗精神病薬などが含まれる場合があります。

軽症から中等症の不眠とは

不眠の程度は、診察内容や睡眠表に加えて、アテネ不眠尺度(AIS) などを用いて確認します。

AISスコア不眠の程度の目安
0〜5点不眠症の可能性は低い
6〜9点軽症の不眠
10〜15点中等症の不眠
16〜24点重症の不眠

Medcleは、軽症から中等症の不眠障害の方を対象とした治療用アプリです。

ただし、AISの点数だけで使用できるかどうかが決まるわけではありません。睡眠表、日中の支障、持病、内服薬、勤務形態、他の睡眠障害の可能性などを含めて総合的な判断が必要です。

AISが16点以上の場合は重症域の不眠と考えられるため、Medcleよりも薬物療法、対面での認知行動療法、睡眠専門医への紹介などを優先した方が良い場合があります。

睡眠薬を服用中の方について

睡眠薬を服用中の方でも、薬が1種類であれば、Medcleによる治療ができる場合があります。

ただし、2種類以上の睡眠障害治療薬を服用している方は、原則として対象外です。

また、現在睡眠薬を服用している場合、自己判断で中止することは避けてください。不眠の悪化や離脱症状が出ることがあります。診察時に薬の種類、服用量、服用期間、今後の減量方針などを確認したうえで、Medcleが適しているかを相談させて頂きます。

不眠以外の睡眠障害が疑われる場合

眠れない原因が、不眠障害以外にある場合があります。

たとえば、以下のような病気では、まず原因となる睡眠障害の評価や治療を優先します。

  • 睡眠時無呼吸症候群
  • レストレスレッグス症候群
  • 周期性四肢運動障害
  • 概日リズム睡眠・覚醒障害
  • レム睡眠行動障害
  • 過眠症

いびきが強い、睡眠中に呼吸が止まる、脚がむずむずして眠れない、昼間の眠気が非常に強い、睡眠リズムが大きくずれているなどの症状がある場合は、別の検査や治療が必要になることがあります。

治療の流れ

Medcle による治療は、全体で9週間です。

最初の7日間は、睡眠表の入力と睡眠衛生指導を行います。その後、8週間の治療に取り組んで頂きます。
週1回、AISによる不眠状態の確認や、目標就寝時刻・目標起床時刻の設定を行います。

当院での流れは以下の通りです。

1. 診察

不眠の症状、日中の支障、生活リズム、持病、内服薬、勤務形態などを確認します。

2. 睡眠障害の確認

睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群、概日リズム睡眠・覚醒障害など、他の睡眠障害が疑われないかを確認します。

3. Medcleの適応判断

Medcleが適しているかどうかを判断します。

4. アプリ導入

対象となる場合は、アプリの使用方法を説明し、スマートフォンでの治療を開始します。

5. 睡眠表の確認

最初の1週間は、睡眠表の入力と睡眠衛生指導を行います。

6. 8週間の不眠症治療

睡眠時間制限療法、刺激制御療法、認知療法などを、アプリを使用して不眠症治療を行います。

7. 治療終了後

治療終了後、不眠症状の改善度、日中の状態、今後の治療方針を確認します。
※治療期間終了後、アプリは使用できなくなります。

費用について

Medcleは保険診療で使用できる不眠症治療アプリです。

アプリ導入時には、アプリ本体の費用に加えて、医師による説明・指導管理に関する費用がかかります。

負担割合アプリ導入時の自己負担額の目安
3割負担約7,650円
2割負担約5,100円
1割負担約2,550円

内訳は、特定保険医療材料としての不眠障害治療支援アプリ24,100円、プログラム医療機器等指導管理料90点、導入期加算50点です。

※初診料・再診料・検査料・処方料などは別途かかります。
※診察の結果、保険適用で使用できない場合があります。
※保険診療上の取り扱いは、今後変更される可能性があります。

使用にあたっての注意点

Medcle は、医師の診察を受けたうえで使用する不眠症治療アプリです。市販の睡眠記録アプリとは異なり、すべての方が自由に使用できるものではありません。

また、睡眠時間制限療法では、治療初期に日中の眠気や疲労感が強くなることがあります。運転業務や危険作業に従事している方では、特に注意が必要です。適正使用指針でも、睡眠制限法による眠気や疲労の増加、精神運動能力の低下に注意が必要とされています。

使用中に不眠症状が悪化した場合、日中の眠気が強い場合、気分の落ち込みや不安が強くなった場合は、診察時にご相談ください。

よくある質問

Q. Medcle は普通の睡眠記録アプリと何が違いますか?

Medcleは、医師の診察のもとで使用する不眠症治療用の医療機器プログラムです。一般的な睡眠記録アプリとは異なり、不眠症に対する認知行動療法(CBT-) の考え方をもとに、睡眠表、睡眠衛生指導、刺激制御療法、睡眠時間制限療法、認知療法などを行います。

Q. 睡眠薬を飲まずに治療できますか?

Medcleは、薬物療法が適さない方、または睡眠薬による治療に同意しない軽症から中等症の不眠障害の方を対象とした治療用アプリですが、すべての方に使用できるわけではありません。診察で症状、生活リズム、持病、内服薬、他の睡眠障害の可能性などを確認したうえで、適応を判断します。

Q. 睡眠薬を飲んでいますが、Medcleは使えますか?

2種類以上の睡眠障害治療薬を服用している方は、原則として Medcleの適応外となります。
睡眠薬を1種類服用している場合は、適応となる可能性がありますが、症状の程度、薬の種類、服用状況、今後の減量方針などを確認したうえで、適応を判断します。
睡眠薬を自己判断で中止すると、不眠の悪化や離脱症状が出ることがあります。現在服用中の薬がある方は自己判断で中止せず、診察時にご相談下さい。

Q. 軽症から中等症の不眠とは、どのくらいの状態ですか?

不眠の程度は、アテネ不眠尺(AIS)を用いて確認します。
AIS は0〜24点で評価する尺度で、一般的には6〜9点が軽症、10〜15点が中等症、16点以上が重症の目安です。

Q. AISが16点以上の場合は使えませんか?

AISが16点以上の場合は、重症の不眠診断されます。Medcleは軽症から中等症の不眠障害の方を対象とした治療用アプリです。ただし、点数だけで使用できるかどうかが決まるわけではありません。の対象外となることがあり、睡眠専門医への紹介、薬物療法、対面での認知行動療法などを優先する場合があります。

Q. 治療期間はどのくらいですか?

治療期間は全体で9週間です。最初の7日間は睡眠表の入力と睡眠衛生指導を行い、その後8週間、認知行動療法(CBT-I)をもとにした治療に取り組んで頂きます。

Q. 毎日アプリを使う必要がありますか?

基本的には毎日の入力が必要です。睡眠表や振り返りを続けることで、睡眠の状態を確認しながら治療を進めます。
入力が難しい場合や続けられない場合は、診察時にご相談ください。

Q. スマートフォンがあれば誰でも使えますか?

Medcleはスマートフォンにアプリをインストールして使用します。ただし、スマートフォンが対応していても、医学的に適応がない場合は使用できません。

Q. 睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合でも使えますか?

睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群、概日リズム睡眠・覚醒障害など、不眠障害以外の睡眠障害が疑われる場合は、まず原因となる睡眠障害の評価や治療が必要です。

Q. 夜勤や交代勤務がありますが、使えますか?

交代勤務や夜勤がある方は、睡眠時間制限療法を適切に実施しにくいため、原則として Medcleの対象外となります。

Q. 副作用や注意点はありますか?

治療初期に、日中の眠気や疲労感が強くなることがあります。運転業務や危険作業を行う方は注意が必要です。
また、使用中に不眠症状が悪化した場合や、気分の落ち込み、不安、強い眠気などが出た場合は早めにご相談下さい。

Q. いくらかかりますか?

アプリ導入時の自己負担額は、3割負担で約7,650円、2割負担で約5,100円、1割負担で約2,550円です。
※初診料・再診料・検査料・処方料などは別途必要です。

Q. 保険は使えますか?

Medcleは保険診療で使用できます。ただし、対象となる症状や条件が決められています。診察の結果、保険適用で使用できない場合がありますのでご了承下さい。

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当院について

いろはなクリニックは、岐阜市則武東にある 内科・血液内科・小児科 のクリニックです。
私たちは、「いろ(その人らしさ)」「はな(笑顔・やさしさ・本来の健やかさ)」「ohana(家族や仲間のような支え合いの心)」を大切にし、医療を通じて安心とつながりが育まれる場を目指しています。
症状だけでなく、生活背景や価値観にも目を向けながら、一人ひとりにとって納得感のある医療をお届けします。
小さな不調や迷いの段階でも、どうぞ気軽にご相談ください。

編集・監修者

いろはなクリニック 院長 柴田 悠平

  • 医学博士
  • 日本内科学会 総合内科専門医・指導医
  • 日本血液学会 血液専門医・指導医
  • 日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医・指導医