( 診療案内 )

夏バテ

暑い夏を乗り切るために

今年も猛暑が続いています。
「なんとなく体がだるい」「食欲がわかない」「やる気が出ない」
皆さんも、そんな夏特有の不調を感じていませんか?
これは、一般的に「夏バテ」と呼ばれる状態です。
このページでは夏バテに関する解説と、いろはなクリニックで提供している夏バテ対策をお伝えします。

夏バテとは?

夏バテは正式な病名ではありませんが、その正体は自律神経の乱れや消化機能の低下、そして体内の水分・ミネラルバランスの崩れが組み合わさって起こる全身の不調です。

  • 冷房と屋外の温度差による自律神経の負担
  • 暑さによる発汗過多と脱水傾向
  • 冷たい飲み物・食事の摂りすぎによる胃腸の機能低下

こうした条件がそろうことで、体のエネルギー代謝が低下し、回復力も落ちてしまいます。

代表的な症状

  • 全身のだるさ、疲労感
  • 食欲不振、胃もたれ
  • 頭痛、めまい、立ちくらみ
  • 集中力の低下、睡眠の質の悪化

「休めば治る」と思って放置すると、体力低下や免疫力低下につながり、夏風邪や胃腸炎などの感染症にもかかりやすくなります。

夏バテで不足しやすい栄養素

夏は汗と一緒に多くのミネラルが失われると同時に、食欲低下によってビタミンも不足しがちです。

  • ナトリウム・カリウム・マグネシウム
    発汗で失われやすく、筋肉や神経の働きを保つために重要。不足すると筋肉のけいれんや倦怠感の原因に。
  • ビタミンB群(特にB1)
    炭水化物をエネルギーに変えるために必要。欠乏すると疲れやすく、集中力も低下します。
  • ビタミンC
    抗酸化作用と免疫維持に必須。ストレスや高温環境で消費量が増えるため、夏は不足しやすい栄養素です。

こうした栄養素を、食欲が低下している状態で十分に摂るのは難しいため、必要に応じて漢方・点滴・サプリメントを組み合わせた補給が効果的です。

いろはなクリニックで実施している夏バテ対策

漢方薬による体質改善

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

元気が出ない、食欲がない、すぐに疲れてしまうといった「体のエネルギー(気)」が不足している状態に使われる漢方薬です。中国の古典医学書『内外傷弁惑論』に由来し、古くから「虚弱体質の改善」や「慢性疲労」に効果があるとされています。

清暑益気湯(せいしょえっきとう)

夏の暑さで体が弱ってしまった状態(いわゆる夏バテ)に対して使われる漢方薬です。食欲がなく、汗ばかり出て疲れが取れない、立ちくらみがする、という方にぴったりの処方です。

栄養点滴

マイヤーズカクテル点滴

ビタミンB群、ビタミンC、マグネシウム、カルシウムなどを含む点滴療法で、もともとは米国で喘息や偏頭痛の治療として用いられてきました。自律神経の安定、免疫力の向上、慢性疲労や倦怠感、冷え性、アレルギー体質の改善など、幅広い効果が期待されます。

にんにく注射

にんにくのような匂いがすることからこの名前がついた注射で、ビタミンB1を主成分としています。
疲労の原因となる乳酸を分解し、神経や筋肉の働きを助けるため、即効性のある疲労回復効果が期待されます。仕事や家事、育児でお疲れの方におすすめです。

※栄養点滴は自費診療となります

医療用サプリメント

ビタミックスコンプリート

『ビタミックス コンプリート』は、13種類すべてのビタミンと、ビタミン様物質であるビタミンP(ルチン、ヘスペリジン)、水溶性食物繊維である難消化性デキストリンを組み合わせました。水などに溶かしてジュースとして楽しめる、砂糖不使用の粉末サプリメントです。
さっぱりとした風味で、暑い季節は水分補給としても無理なく使用でき、おすすめです。

NB-X

『NB-X』は、暑い季節に不足しがちな、8種類すべてのビタミンB、3種類のビタミンB様成分、さらにビタミンB群の利用に欠かせない核酸(DNA-Na)を配合しました。ウルトラシールド加工によりビタミンB群特有の匂いを軽減しており、サプリメントが苦手な方でも飲みやすい製品です。

※医療用サプリメントは自費診療となります

最後に

夏バテは、放っておくと長引いて秋以降の体調にも影響します。
「夏だから仕方ない」と我慢せず、早めに体を整えることが大切です。

当院では、漢方・点滴・栄養サプリメントなどを組み合わせ、一人ひとりの体質や症状に合わせた対策を行っています。暑い夏を元気に乗り切るために、ぜひ一度ご相談ください。