白玉点滴(グルタチオン点滴)は、「透明感のある肌づくり」をサポートする点滴療法として注目されています。
グルタチオンは体内で作られる強力な抗酸化物質で、紫外線やストレスによるダメージから肌を守り、シミやくすみの原因となるメラニンの生成を抑える働きがあります。
定期的に点滴で補うことで、肌のトーンアップや美白効果が期待でき、日焼けや加齢による肌トラブルの予防にもつながります。内側から輝くような素肌を目指す方におすすめの美容ケアです。
このページでは、白玉点滴の仕組みや美肌への効果、効果的な受け方、注意点について分かりやすくご紹介します。
グルタチオンとは
グルタチオンは、グルタミン酸・システイン・グリシンの3つのアミノ酸からなるトリペプチドです。体内では主に 強力な抗酸化作用 を発揮し、細胞の酸化ストレスから守る役割を果たしています。肝臓を中心に豊富に存在し、解毒作用や免疫調整にも関与します。
なぜ美肌に有効なのか
強力な抗酸化作用による細胞保護
- グルタチオンは 細胞内で最も豊富な抗酸化物質 のひとつです。
- 紫外線(UV-A/UV-B)、ストレス、喫煙、大気汚染などによって発生する 活性酸素(ROS) は、DNA・タンパク質・脂質を酸化させ、シミ・しわ・たるみの原因となります。
- グルタチオンは直接これらの活性酸素を還元するほか、ビタミンCやEを再生 させて抗酸化ネットワークを強化します。
結果として、肌の酸化ダメージを減らし「老化のスピードを遅らせる」作用が期待できます。
メラニン生成経路の制御(美白効果)
- 肌の色を決めるメラニンは、チロシナーゼ という酵素がチロシンを酸化して生成します。
- グルタチオンはこのチロシナーゼ活性を 直接阻害 する作用があります。
- さらに、メラニンには ユーメラニン(黒〜褐色) と フェオメラニン(黄〜赤色) があり、
グルタチオンは生成経路を「ユーメラニン → フェオメラニン」にシフトさせることで、肌をより明るく見せる働きが報告されています。
単なる“シミを減らす”だけでなく、“肌全体のトーンアップ”につながります。
肝機能サポートによるデトックス効果
グルタチオンは肝臓で 抱合解毒(有害物質や薬剤、重金属と結合し体外へ排泄する作用)に必須の物質です。
- 体内に老廃物や毒素が溜まると、肌荒れ・くすみ・ニキビなどの原因になります。
- 解毒機能が高まることで、内側から肌の状態を整える 効果が期待されます。
抗炎症・免疫調整作用
- 慢性的な炎症は、赤ら顔・ニキビ・色素沈着後の炎症性色素斑(PIH)を悪化させます。
- グルタチオンはNF-κBなどの炎症シグナル伝達経路を抑制し、炎症を鎮める 作用があります。
- また、免疫細胞の機能を正常化することで、肌のターンオーバーの乱れを整えます。
真皮コラーゲンへの保護作用
- 活性酸素は真皮層で コラーゲンやエラスチンを分解 する酵素(MMP:マトリックスメタロプロテアーゼ)を活性化させます。
- グルタチオンは酸化ストレスを抑えることで、MMP活性の上昇を防ぎ、コラーゲンの破壊を抑制。
ハリや弾力の維持につながります。
効果的な投与方法
投与経路
- 点滴静注(IV drip) が最も一般的です。
経口摂取では腸管からの吸収が不安定で、分解酵素(グルタチオナーゼ)によって分解されやすいため、血中濃度を確実に上げたい場合は静脈投与が適しています。 - 静脈注射(急速静注) は血中濃度の急激な変化を起こすため、通常は点滴で緩徐に投与されます。
投与量の目安
- 美容目的では 600〜1200mg 程度が標準的です。
- 肝疾患や薬物中毒の治療では数g単位が使われることもありますが、美容目的では副作用リスクを考慮し高用量は一般的ではありません。
投与間隔とその根拠
初期:週1〜2回を数週間
- 理由:
- グルタチオンは体内半減期が比較的短く(数時間〜1日程度)、すぐに代謝・消費されてしまいます。
- シミやくすみなどの美容効果は「メラニン生成サイクル」や「肌のターンオーバー(約28日〜40日)」に依存するため、ある程度の期間、血中濃度を繰り返し高めて作用を持続させる必要があります。
- 特に紫外線の多い時期や酸化ストレスが強い人では、消費スピードが早いため頻回投与が望ましいと考えられます。
維持:2〜4週間に1回
- 理由:
- 肌のターンオーバー周期に合わせた維持投与。
- 抗酸化防御のリズムを支えるために、1か月に1回程度の補充で効果を持続できるケースが多い。
- 連続投与によって細胞内グルタチオン濃度がある程度維持されると、頻度を下げても抗酸化力が保たれると考えられています。
他の栄養素との併用
- ビタミンC:グルタチオンとビタミンCは相互に抗酸化作用を再生し合うため、併用すると血中濃度の安定と作用の持続が期待できます。
- ビタミンB群:肝臓の代謝を助け、解毒作用やエネルギー代謝を高めるサポート役。
個別調整が必要な理由
- 生活習慣・環境:
喫煙、飲酒、ストレス、紫外線曝露が多い人は酸化ストレスが高く、消費されるグルタチオンも多い。 - 基礎疾患:肝機能障害や慢性疾患があると、必要量や間隔が変わる。
- 目的:
- 美白・シミ改善目的 → 初期は短い間隔で集中投与
- アンチエイジングや疲労回復目的 → 維持的に月1回
価格一覧
診療内容 | 価格(税込) |
---|---|
初診料(かかりつけ患者さんは不要です) | 550円 |
再診料 | 0円 |
白玉点滴 600mg 1200mg | 4,500円 6,500円 |
注意点・副作用
- 比較的安全性が高いとされますが、まれに アレルギー反応(発疹・かゆみ)や頭痛、吐き気 が生じることがあります。
- 腎機能障害や重篤な疾患のある方は使用を避けるべき場合があります。
- 美容目的での効果は個人差が大きく、必ずしも「美白」や「若返り」を保証するものではありません。
- 使用する薬剤は、医薬品医療機器法承認の国内正規医薬品ですが、健康や美容を目的とした使用は健康保険適用外であるため、自費診療での実施となります。なお、当院では保険診療における白玉注射は行っておりません。