健診の結果に「赤血球が多い」「多血」と書かれていると、驚かれる方も多いのではないでしょうか。
「血が濃いってどういうこと?」
「ドロドロ血で脳梗塞や心筋梗塞が心配…」
「がんや血液の病気ではないか?」
と、不安を抱えて相談に来られる方も少なくありません。
この記事では、健診で「赤血球増加(多血)」を指摘された時に知っておきたい基礎知識をまとめています。
- 赤血球増加とはどのような状態なのか
- どんな原因や病気が考えられるのか
- 放置すると何が起こるのか
- いろはなクリニックで出来ること
正しく理解することで、不必要に心配することなく、適切な行動につなげることができます。
赤血球増加とはどんな状態?
赤血球やヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Ht)の値が基準より高い状態を指します。
正常値
- 赤血球数:男性 約430〜570万/μL、女性 約380〜500万/μL
- ヘモグロビン:男性 13.0〜16.5 g/dL、女性 12.0〜15.0 g/dL
- ヘマトクリット:男性 40〜52%、女性 35〜48%
赤血球が多すぎると血液が「濃い」状態になり、血栓(血のかたまり)ができやすくなるリスクがあります。これにより、脳梗塞や心筋梗塞など重篤な病気につながる可能性もあるため、注意が必要です。
赤血球増加の主な原因
赤血球増加には、大きく分けて2つのパターンがあります。
- 二次性(よくある原因)
- 喫煙
- 高地での生活
- 慢性的な呼吸器疾患(酸素不足)
- 脱水による一時的な濃縮
- 一次性(病気によるもの)
- 真性多血症(骨髄が赤血球をつくりすぎる血液の病気)
特に「真性多血症」の場合は放置すると血栓症リスクが高まるため、正しい診断と治療が重要です。
健診で赤血球増加を指摘されたらどうすべき?
まずは本当に持続的な赤血球増加かどうかを確認します。
- 再検査(赤血球数・Hb・Ht の再チェック)
- 血液ガス(酸素状態の確認)
- 必要に応じて骨髄検査(真性多血症が疑われる場合)
症状として、頭痛・めまい・顔の赤み・手足のしびれなどが出ることがあります。こうした症状がある場合は特に早めの受診が大切です。
いろはなクリニックでできること
当院では、
- 健診結果をもとにした再検査
- 赤血球増加の原因精査(酸素状態、炎症、栄養状態の確認など)
- 生活習慣(喫煙・脱水予防)へのアドバイス
- 必要に応じて高度医療機関(血液内科)への紹介
を行っています。
赤血球増加の原因は多岐にわたりますが、まずは「一過性なのか、病気なのか」を確認することが第一歩です。
まとめ
- 赤血球増加(多血)は、血液が「濃い」状態
- 喫煙・脱水・慢性呼吸不全など日常的な要因から、真性多血症といった血液疾患まで原因はさまざま
- 放置すると血栓リスクが上がることがあるため、再検査と原因の確認が重要
- 健診で指摘されたら、早めにご相談ください
「健診で赤血球が多いと指摘された方は、当院にご相談ください」