( 診療案内 )

【栄養療法の視点】更年期障害

ホルモンのゆらぎを“栄養”でやさしく支える

更年期障害は、ホルモンのゆらぎによって心身にさまざまな症状をもたらします。
一方で、その背景には自律神経の乱れや栄養不足といった要因も大きく関わっていることがわかっています。

この記事では、

  • 更年期に起こりやすい典型的な症状とその原因
  • 栄養療法の視点から見た「不調を悪化させる要因」
  • 血液検査で確認できる栄養指標とその意味
  • 食事・サプリメントによる具体的なサポート方法
  • ホルモン補充療法に対するEPAやγ-リノレン酸による血栓症リスクの予防

について解説します。

「更年期だから仕方ない」とあきらめずに、栄養で整える新しい選択肢を一緒に見つけていきましょう。

「年齢のせい」とあきらめていませんか?

  • のぼせ・ほてり・発汗がつらい
  • イライラや気分の落ち込みが続く
  • 寝つきが悪く、ぐっすり眠れない
  • 疲れやすく、集中力が落ちてきた

40〜50代の女性に多いこれらの症状は、更年期障害かもしれません。
閉経前後の女性ホルモンの変化によって起こるものですが、単なる“年齢のせい”ではありません。

オーソモレキュラー栄養医学では、ホルモン変化を支える栄養不足や代謝の乱れを整えることで、つらい症状を和らげることが可能です。

更年期の不調を悪化させる要因

更年期障害は、エストロゲン低下だけでなく、以下の要因が重なって症状が強まります。

女性ホルモン低下と副腎への負担

本来は副腎が不足分を補いますが、ストレスや栄養不足で働きが低下すると、ホルモンバランスが大きく崩れます。

自律神経の乱れ

エストロゲンの減少+ビタミンB群・マグネシウム不足は、のぼせ・動悸・不眠を悪化させます。

栄養不足による代謝低下

鉄・亜鉛・ビタミンB群不足 → 疲労感や気力低下
抗酸化不足(ビタミンC・Eなど) → 老化の加速

ホルモン補充療法と栄養サポート

更年期障害の治療として「ホルモン補充療法(HRT)」が行われることがあります。
症状改善に有効な一方で、血栓症のリスクが指摘されています。

ここで大切なのが、血液をサラサラに保つ栄養素の活用です。

EPA(エイコサペンタエン酸)

  • 魚油に多く含まれるオメガ3脂肪酸
  • 血小板の凝集を抑え、血液を流れやすくする
  • 炎症を抑制し、心血管リスクを下げる

γ-リノレン酸(GLA)

  • 月見草油やボラージオイルに含まれるオメガ6系脂肪酸
  • 血管拡張・抗炎症作用を持ち、ホルモン変化による動脈硬化や血栓リスクを軽減

HRTを選択する場合でも、EPAやγ-リノレン酸を取り入れることで、血栓リスクを栄養面から補完することが可能です。

栄養療法でわかる・できること

オーソモレキュラー栄養医学では、更年期障害を「ホルモンの問題」だけでなく、栄養と代謝の問題としてとらえます。

血液検査でのチェックポイント

  • フェリチン(鉄)/亜鉛:エネルギー・神経安定
  • ビタミンB群:ホルモン代謝・自律神経サポート
  • ビタミンD:骨・免疫・ホルモン調整
  • コレステロール:ホルモンの材料

おすすめの医療用サプリメント

イソフラボンX

イソフラボンは主に大豆の胚芽部分に多く含まれているポリフェノールの一種です。
女性ホルモン(エストロゲン)とよく似た働きがあり、40代以降急激に変化する身体の健康を維持するために、女性だけでなく、様々な年代の方に摂取していただきたい栄養素です。
『イソフラボンX』は安全性の高い配糖体型大豆イソフラボンに、健康・美容成分として注目されるブロッコリースプラウト(発芽ブロッコリーの新芽)抽出物を配合しました。

EPA&γ-リノレン酸

EPAは主に魚油に含まれるω3系の必須脂肪酸、γ-リノレン酸はボラージ草や月見草に含まれるω6系の必須脂肪酸です。どちらも普段の食事だけでは十分に補給することが難しく、積極的に摂取したい栄養素です。
『EPAγリノ ミセル』は1粒にEPA/DHAとγ-リノレン酸を中心に、身体に必要な油をマルチに配合しました。
ミセル(乳化型)加工により、身体によく吸収されます。

NB-X

ビタミンBは補酵素としても働くなど、様々な身体機能の維持に欠かせない水溶性ビタミンです。
現在8種類が発見され、総称してビタミンB群と呼ばれています。相互に関係して働くため、単独ではなく複合体で摂取することが大切になります。
『NBーX』は8種類すべてのビタミンB、ビタミンB様栄養素3種類を複合体で配合しました。さらに、ビタミンB群が補酵素として働くために不可欠な核酸成分も組み合わせています。

実践できる食事・栄養ポイント

✅ 毎食に良質なたんぱく質(魚・卵・大豆)を
✅ 抗酸化作用のある野菜・果物をカラフルに
✅ 魚(特に青魚)を週2〜3回取り入れる → EPA補給
✅ ナッツ・種子類・月見草油などからγ-リノレン酸を摂取
✅ 精製糖質・アルコールのとりすぎを避ける

まとめ

更年期障害は人生の終わりではなく、新しいステージに向けた変化です。
薬やホルモン補充だけでなく、栄養療法を組み合わせることで、安全性と快適さを両立できます。

「更年期だから仕方ない」とあきらめなくても大丈夫です。
私たちは、医学的な治療とオーソモレキュラー栄養医学の知見を組み合わせ、“もっと自分らしい更年期”を過ごせるようサポートしています。

安心して、前向きに、次のライフステージを迎えましょう。