( 診療案内 )

2. 葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

慢性的な鼻づまり・副鼻腔炎、そして頭痛に

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)は、慢性的な鼻づまりや副鼻腔炎(ちくのう症)に加えて、頭痛や頭重感の改善にも使われる漢方薬です。風邪薬として有名な葛根湯に、鼻の通りを良くし血行を改善する生薬を加えた処方で、鼻炎とそれに伴う頭痛に特化しています。

こんな症状に使われます

  • 慢性的な鼻づまり
  • 蓄膿症(副鼻腔炎)による頭重感・頭痛
  • アレルギー性鼻炎で鼻が通らない
  • 鼻閉による集中力低下や睡眠の質の悪化
  • 鼻水は少ないが、つまって苦しい

「鼻が詰まって頭が重い」「鼻炎と一緒に頭痛がする」といった悩みに適しています。

中医学的な見方

中医学では、鼻づまりや頭痛は「風寒(ふうかん)」や「湿(しつ)」が鼻や頭部に停滞し、気血の巡りを妨げている状態と考えます。葛根湯加川芎辛夷は、

  • 葛根湯の発散作用で体表を開き、邪気を外へ追い出す
  • 川芎の加味で頭部の血流を促し、頭痛・頭重感を改善
  • 辛夷の加味で鼻の通りを良くし、炎症をやわらげる

ことにより、鼻閉と頭痛の両方を改善します。

成分と作用

葛根湯(葛根・麻黄・桂皮・芍薬・生姜・大棗・甘草)に、以下が追加されています:

  • 川芎(せんきゅう):血行を促進し、頭痛・頭重感を改善
  • 辛夷(しんい):鼻の通りを良くし、炎症を和らげる

これにより、鼻閉に伴う頭痛・頭重感にも有効な処方となっています。

使用上の注意

  • 副作用:発疹、胃部不快感、動悸、不眠、発汗過多などが報告されています。
  • 体質との相性:体力が中等度以上で、熱や炎症が強くない鼻閉・頭痛タイプに適しています。
  • 慎重投与:高血圧・心疾患・不眠症のある方は、麻黄の影響に注意が必要です。

最後に

葛根湯加川芎辛夷は、鼻づまりや副鼻腔炎に伴う頭痛・頭重感を同時に改善できる漢方薬です。呼吸を楽にし、頭の重苦しさも軽減してくれるため、慢性的な鼻炎や蓄膿症に悩む方に有力な選択肢となります。気になる症状がある場合は、当院までご相談ください。