「最近、トイレの回数が増えた気がする」「排尿のときにピリッとした痛みがある」
そんな経験、ありませんか?
それはもしかすると「急性膀胱炎」かもしれません。
このページでは急性膀胱炎について、疾患の説明から治療方針まで、わかりやすく解説します。
急性膀胱炎とは?
膀胱炎とは、膀胱の中に細菌が入り込んで炎症が起きる状態を指します。特に若い女性に多い病気で、適切な治療をすれば数日でよくなることがほとんどです。しかし、放置してしまうと腎臓まで感染が広がることもあるため、早めの対応が大切です。
膀胱炎の主な症状とは?
膀胱炎になると、次のような症状が現れます:
- 排尿時の痛み(しみるような、刺すような感じ)
- 頻尿(何度もトイレに行きたくなる)
- 尿のにごり(白っぽく濁って見えることも)
- 下腹部の違和感や軽い痛み
- 残尿感(出しきれない感じ)
※38℃以上の発熱がある場合は、より重い「腎盂腎炎」の可能性があります。
なぜ女性に多いの?
女性は男性に比べて尿道が短く、肛門や膣と尿道の距離も近いため、細菌(とくに大腸菌)が膀胱へ侵入しやすい構造になっています。これが、女性に膀胱炎が多い大きな理由です。
また、以下のような状況も膀胱炎のリスクになります:
- 性交渉のあと
- トイレを長時間がまんしたとき
- 疲れがたまって免疫力が下がっているとき
治療方針
膀胱炎は、ほとんどの場合抗菌薬(抗生物質)で治療します。
- 通常、3〜7日間ほど飲めば改善します。
- 薬は原因菌(主に大腸菌)に効くものを選びます。
- 最近では、耐性菌(薬が効きにくい菌)の増加も問題になっており、必要に応じて尿の検査(尿培養)を行い、適切な薬を選ぶこともあります。
※自己判断で薬を中断したり、残っていた薬を使うのは避けましょう。
自然に治る?受診の目安は?
軽い症状であれば、自然に良くなることもありますが、
- 症状が2日以上続く
- 痛みが強い
- 発熱がある
- 繰り返す
という場合は、必ず医療機関を受診しましょう。特に妊娠中の方や高齢の方、糖尿病などの持病がある方は、注意が必要です。
どうやって診断するの?
診察では、主に尿検査を行います。
- 白血球が増えている → 体が菌と戦っているサイン
- 細菌がいるかどうかを確認 → 尿培養で原因菌を特定することも
必要に応じて、血液検査や超音波検査などを追加する場合もあります。
予防のためにできること
膀胱炎は再発しやすい病気でもあります。日常生活の中で予防のためにできることはたくさんあります。
- 水分をしっかりとる(1日1.5〜2リットルを目安に)
- トイレをがまんしない
- 排尿後は前から後ろへ拭く
- 性交後はなるべく早く排尿する
- 殺精子剤入りの避妊具はなるべく避ける
再発をくり返す場合
「また膀胱炎になった…」とお困りの方も多いかと思います。
- 半年に2回以上、または1年に3回以上膀胱炎を繰り返す場合、「再発性膀胱炎」として対策が必要です。
- 必要に応じて、抗菌薬を予防的に飲む方法や、漢方薬・ホルモン治療(閉経後女性の場合)も検討します。
- 泌尿器科での精密検査が必要な場合もあります。
まとめ
膀胱炎は、決して珍しい病気ではありません。特に女性にとっては、身近な泌尿器のトラブルです。
我慢せず、そして繰り返さないように。
いろはなクリニックでは、女性の体の変化やライフステージに寄り添った診療を大切にしています。
ちょっとした不調でも、お気軽にご相談ください。