( 診療案内 )

【漢方の視点】不安障害・パニック障害

不安・パニック障害を漢方(東洋医学)の観点から解説します

突然の動悸、息苦しさ、強い不安感…
検査をしても心臓や脳に異常がないのに、繰り返し発作のような不安に襲われる場合、それは「不安障害」や「パニック障害」と呼ばれる状態かもしれません。
現代社会ではストレスや過労、睡眠不足などが引き金となり、心と体のバランスが崩れて発症するケースが増えています。
西洋医学では抗不安薬や抗うつ薬による治療が行われますが、「眠気が強い」「長期内服が不安」と感じる方も少なくありません。漢方は、自律神経や心身のバランスを整えることで、根本的な安定を目指します。

西洋医学から見た不安障害・パニック障害

不安障害は、日常生活に支障をきたすほど強い不安や恐怖を繰り返す病態の総称です。その中でもパニック障害は、突然生じる強い動悸、息苦しさ、めまい、死の恐怖などを特徴とします。

主な症状

  • 動悸、息切れ、胸の圧迫感
  • 手足のしびれ、めまい、冷や汗
  • 強い不安感、予期不安、抑うつ気分
  • 不眠、倦怠感、自律神経の乱れ

治療は、抗不安薬・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの薬物療法、認知行動療法などの心理的アプローチ、生活リズムの改善などを組み合わせて行います。

漢方から見た不安障害・パニック障害

漢方では、不安やパニックの背景に「気血の巡り」や「肝・心・脾」のアンバランスがあると考えます。

  • 肝気鬱結(かんきうっけつ):ストレスで気の流れが滞り、イライラや不安、不眠が生じる
  • 心脾両虚(しんぴりょうきょ):疲労やストレスの蓄積で心と消化機能が弱り、不安や抑うつを感じる
  • 痰気上逆(たんきじょうぎゃく):のどのつかえ、息苦しさ、胸の圧迫感など身体症状が目立つ
  • 陰虚火旺(いんきょかおう):のぼせや寝汗、焦燥感、不眠を伴う

当院でよく用いる漢方薬

養生の工夫

  • 睡眠のリズムを整える(夜更かしを避け、朝日を浴びる)
  • カフェインやアルコールを控え、自律神経を安定させる
  • 深呼吸・ヨガ・ストレッチなどで緊張を和らげる
  • 軽い運動(ウォーキングなど)を習慣化してストレスを緩和
  • 「不安をなくす」ではなく、「不安と共に穏やかに過ごす」姿勢を意識する

まとめ

不安障害やパニック障害は、心だけでなく身体のバランスにも深く関係しています。西洋医学では脳内の神経伝達を整える治療が中心ですが、漢方では「気・血・水」や「五臓」の調和を回復させることで、心身両面から穏やかな回復を目指します。

強い不安やパニック発作でお悩みの方は、当院へご相談ください。

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