インフルエンザワクチンには、従来の「注射型ワクチン」に加えて、鼻から噴霧するタイプの「フルミスト(経鼻インフルエンザワクチン)」があります。
フルミストは、痛みの少ない接種方法として注目されており、自然に近い免疫反応を引き出すことが期待できます。
当院では、2歳から19歳未満を対象に、予約制でフルミストの接種を行っています。
価格や助成制度、副作用や注意点についても詳しくご案内していますので、接種を検討される方はぜひご確認ください。
フルミストとは
フルミストは、鼻に噴霧して投与する経鼻型のインフルエンザワクチンです。
従来の注射型ワクチン(不活化ワクチン)とは異なり、生きた弱毒化ウイルスを用いた「生ワクチン」で、鼻粘膜で免疫を誘導し、自然感染に近い免疫応答を期待できます。
対象者
- 国内適応年齢:2歳~19歳未満の健康な方
- 1シーズン1回接種(0.2mL:左右鼻腔へ各0.1mL噴霧)
接種不適当者(禁忌)
以下の方は接種できません。
- 明らかな発熱がある方
- 重篤な急性疾患にかかっている方
- 過去に本剤成分でアナフィラキシーなど重篤な過敏反応を起こしたことがある方
- 免疫機能に異常がある疾患を有する方、または免疫抑制治療中の方(抗がん剤、ステロイド等)
- 妊娠している方
- 年齢が対象外の方(2歳未満、19歳以上)
- 鼻炎・鼻水・鼻閉など鼻症状が強い場合(ワクチン吸収が不十分になるため延期)
副作用について
よくみられる副作用(軽度で一過性)
- 鼻水・鼻づまり・くしゃみ
- 咽頭痛・咳
- 発熱(通常は軽度で数日以内に改善)
- 頭痛・倦怠感
- 食欲低下
時に注意が必要な副作用
- 喘鳴(ゼーゼーする呼吸音)、特に喘息を持つお子さんは発作誘発に注意
- まれにアナフィラキシー(全身のじんましん、呼吸困難、血圧低下など)
- けいれん、意識障害などの神経学的症状(きわめて稀)
保護者の方へのお願い
- 接種後は30分程度体調の変化に注意してください。
- 数日以内に強い咳・呼吸困難・高熱などがあれば速やかに医療機関へご相談ください。
接種回数
- 2歳~19歳未満:1シーズン1回
- 日本では年齢に関わらず毎年1回の接種で完了します。
費用(税込)
- 8,000円/回(当院価格)
岐阜市の助成制度
- 未就学児(フルミスト):2,000円/回補助
- 助成期間:例年 10月15日~1月31日
助成対象の場合、6,000円で接種可能です。
予約方法
- 要予約制:接種希望日の1週間前までにご予約ください。
- 在庫に限りがあるため、ご希望に添えない場合があります。
- 予約はWeb、お電話、受付でお取りしております。
- 予約の変更は接種希望日の1週間前まで可能です。体調不良時など緊急での予約変更はお電話でご連絡ください。
- ごきょうだい、ご家族の同日接種を希望の方は予約枠の調整が可能です。お電話でご相談ください。
問診表について
- 接種には問診表の提出が必要です。
- 当院ホームページからダウンロード、または院内にてご用意しています。
- 助成対象の方は専用の問診表が必要です。
- スムーズな接種のため、事前記入にご協力ください。
問診票のダウンロードはこちらから
よくある質問
Q:注射との違いは?
A:注射は「不活化ワクチン」、フルミストは「生ワクチン」で、鼻粘膜免疫(IgA)を誘導する特徴があります。
Q:注射とフルミスト、両方接種する必要はありますか?
A:ありません。どちらか一方で十分です。
Q:毎年接種が必要ですか?
A:はい。インフルエンザウイルスは毎年流行株が変化するため、毎年の接種が推奨されます。
Q:なぜ成人(19歳以上)は対象にならないのですか?
A:国内の臨床試験での有効性や安全性データが2~18歳を中心に集積されているため、現時点での承認は19歳未満に限られています。成人に対する効果の確証が乏しく、安全性データも十分でないため、日本では対象外となっています。