2026年9月に入り、インフルエンザの流行が全国的に拡大しています。
岐阜県では8月31日〜9月6日に流行入りし、その翌週には患者数がさらに増加しました。9月7日〜13日の岐阜県の定点当たり報告数は4.09となり、前週の1.71から約2.4倍に増えています。
全国でも第37週の定点当たり報告数は5.54となっており、例年より早い時期から流行が広がっています。
当院でも9月に入ってから発熱で受診される患者さんが増えており、インフルエンザだけでなく、新型コロナウイルス感染症の患者さんもみられています。
岐阜県では流行入り後も患者数が増加しています
岐阜県の定点当たり報告数は、次のように推移しています。
8月10日〜16日 0.33
8月17日〜23日 0.49
8月24日〜30日 0.47
8月31日〜9月6日 1.71
9月7日〜13日 4.09
8月31日〜9月6日の第36週に流行開始の目安である1.0を超え、その翌週には4.09まで増加しました。
前回の記事では「岐阜県で流行入りした」ことをお伝えしましたが、現在はさらに一段階進み、流行入り後も患者数が増え続けている状況です。
全国でもインフルエンザの流行が拡大
全国の第37週(9月7日〜13日)のインフルエンザ報告数は20,697人、定点当たり5.54でした。
岐阜県だけでなく、全国的にも患者数が増加しています。
今年は、通常イメージされる冬のインフルエンザシーズンよりかなり早い段階から流行が始まっています。
昨シーズンより約4週間早い流行状況

昨シーズンの岐阜県では、9月29日〜10月5日に定点当たり報告数が1.07となり、流行入りしました。
その後は、
9月29日〜10月5日 1.07
10月6日〜12日 0.84
10月13日〜19日 1.27
10月20日〜26日 2.13
10月27日〜11月2日 7.00
11月3日〜9日 13.58
11月10日〜16日 22.78
11月17日〜23日 45.60
11月24日〜30日 52.93
と推移し、11月下旬に大きなピークを迎えました。
今シーズンの岐阜県は、昨シーズンより約4週間早く流行入りし、さらに流行入り翌週には1.71から4.09へ増加しています。
現時点では、昨シーズンより早い立ち上がりがみられています。
ただし、今年も昨シーズンと同じペースで増加するとは限りません。 流行のピークがいつになるか、どの程度の規模になるかについては、今後の推移を確認する必要があります。
新型コロナウイルス感染症にも注意が必要です
現在はインフルエンザだけでなく、新型コロナウイルス感染症の患者さんもみられています。
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症では、
- 発熱
- 咳
- のどの痛み
- 倦怠感
- 頭痛
など、共通する症状が多くみられます。
そのため、症状だけで「インフルエンザ」「新型コロナ」と判断することは困難です。
周囲でインフルエンザが流行している場合でも、発熱などの症状があるときには、インフルエンザ以外の感染症も含めて考える必要があります。
ワクチン接種前にインフルエンザの罹患した場合
今年は例年より早く流行が始まっているため、ワクチンを接種する前にインフルエンザにかかってしまったという方も少なくないと考えられます。
一度インフルエンザに感染した場合でも、インフルエンザワクチンの接種が推奨されます。
インフルエンザには複数の型・亜型があり、一度感染したからといって、そのシーズンに流行するすべてのインフルエンザに対する免疫が得られるわけではありません。
そのため、
「一度インフルエンザにかかったので、今シーズンはワクチンを接種しなくてもよい」
とはいえません。
注射のインフルエンザワクチンの場合
注射で接種する不活化インフルエンザワクチンは、抗インフルエンザ薬を使用したことによってワクチンの効果が低下するとは考えられていません。
そのため、抗インフルエンザ薬を使用したことを理由に、一定期間あける必要はありません。
発熱や全身状態が改善し、接種できる体調に回復してから接種します。CDCも、インフルエンザ治療・予防に使用する抗ウイルス薬は、不活化インフルエンザワクチンに対する免疫反応には影響しないとしています。
フルミストの場合
フルミストは、弱毒化したインフルエンザウイルスを使用する経鼻生ワクチンです。日本国内の電子添文でも、抗インフルエンザ薬によりワクチンウイルスの増殖が抑制され、ワクチンの効果が弱まる可能性があることから、併用に注意するよう記載されています。
ただし、日本国内の添付文書には、抗インフルエンザ薬使用後に何日あけるかという具体的な日数までは規定されていません。
参考として、米国CDCでは以下の間隔が示されています。
| 抗インフルエンザ薬 | フルミスト接種までの目安 |
|---|---|
| オセルタミビル(タミフル) | 48時間以上 |
| ザナミビル(リレンザ) | 48時間以上 |
| ペラミビル(ラピアクタ) | 5日以上 |
| バロキサビル(ゾフルーザ) | 17日以上 |
また、フルミスト接種後2週間以内に抗インフルエンザ薬を使用した場合には、ワクチンウイルスの増殖が抑えられ、十分なワクチン効果が得られない可能性があります。
そのため、インフルエンザにかかって抗インフルエンザ薬を使用した後にフルミストを希望される場合には、使用した薬剤と最終投与日を確認したうえで接種日を決めます。
※上記の「48時間・5日・17日」という具体的な間隔は、米国CDCの推奨を参考にしたもので、日本国内の添付文書に規定された間隔ではありません。
今後の流行状況にも注意が必要です
岐阜県では、インフルエンザの定点当たり報告数が1.71から4.09へ、1週間で約2.4倍に増加しました。
今後、この増加傾向が続くのか、一時的に落ち着くのかを確認する必要があります。
昨シーズンは、流行入り後に10月末から11月にかけて患者数が急増しました。今年は昨シーズンより早い時期から流行が始まっているため、今後も定点当たり報告数の推移を継続して確認していきます。
当院でも、岐阜県・岐阜市の最新情報を確認しながら、随時ホームページでお知らせします。
インフルエンザの症状、検査を受けるタイミング、治療、学校や仕事を休む期間については、当院の「インフルエンザ|症状・検査・治療・受診の目安」もご参照ください。
インフルエンザワクチンの説明は以下をご覧ください
当院について
いろはなクリニックは、岐阜市則武東にある 内科・血液内科・小児科 のクリニックです。
私たちは、「いろ(その人らしさ)」「はな(笑顔・やさしさ・本来の健やかさ)」「ohana(家族や仲間のような支え合いの心)」を大切にし、医療を通じて安心とつながりが育まれる場を目指しています。
症状だけでなく、生活背景や価値観にも目を向けながら、一人ひとりにとって納得感のある医療をお届けします。
小さな不調や迷いの段階でも、どうぞ気軽にご相談ください。

編集・監修者
いろはなクリニック 院長 柴田 悠平
- 医学博士
- 日本内科学会 総合内科専門医・指導医
- 日本血液学会 血液専門医・指導医
- 日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医・指導医