2026年10月に入り、インフルエンザの流行が全国的に続いています。
岐阜県では、第39週(9月21日〜27日)に定点当たり報告数が10.18となり、注意報レベルに達しました。その後、第40週(9月28日〜10月4日)は7.42へ低下しています。
岐阜市でも同様に、第39週の11.56から第40週は8.11へ低下しました。
一方、全国では第40週の定点当たり報告数が11.35となっており、全国的には流行が続いています。
岐阜県では一度減少していますが、現時点では「流行が終わりに向かっている」と判断するのは早い状況です。
岐阜県は注意報レベル到達後、いったん減少
岐阜県の定点当たり報告数は、8月以降次のように推移しています。
8月10日〜16日 0.33
8月17日〜23日 0.49
8月24日〜30日 0.47
8月31日〜9月6日 1.71
9月7日〜13日 4.09
9月14日〜20日 5.67
9月21日〜27日 10.18
9月28日〜10月4日 7.42
第39週に10を超えた後、第40週では7.42へ低下しました。 ただし、第40週に7.42へ低下したからといって、流行が収束したとはまだ言えません。
岐阜市も11.56から8.11へ低下
岐阜市でも、県全体とよく似た動きがみられています。
直近3週間では、
9月14日〜20日 6.11
9月21日〜27日 11.56
9月28日〜10月4日 8.11
と推移しています。
第39週には岐阜市でも10を超えましたが、第40週はいったん8.11まで低下しました。
県全体・岐阜市とも同時期に減少しているため、9月末からの感染拡大が一時的に落ち着いた可能性はあります。
一方で、全国では同じ第40週に再び患者数が増えているため、今後再上昇する可能性にも注意が必要です。
全国では再び増加しています
全国のインフルエンザ定点当たり報告数は、
第36週 3.29
第37週 5.54
第38週 8.48
第39週 7.17
第40週 11.35
と推移しています。
第39週に一度低下しましたが、第40週には再び上昇し、全国平均でも10を超えました。
つまり、全国ではすでに「増加 ⇒ 一時低下 ⇒ 再上昇」という傾向がみられています。
岐阜県でも今回10.18から7.42へ低下していますが、全国の動きを考えると、今後再び増加する可能性に十分注意が必要です。
昨シーズンも、流行入り後に一度低下しています
昨シーズンの岐阜県では、9月29日〜10月5日に定点当たり1.07となり流行入りしました。
その後は、
9月29日〜10月5日 1.07
10月6日〜12日 0.84
10月13日〜19日 1.27
10月20日〜26日 2.13
10月27日〜11月2日 7.00
11月3日〜9日 13.58
11月10日〜16日 22.78
11月17日〜23日 45.60
11月24日〜30日 52.93
と推移しました。
昨シーズンも、流行入り直後に1.07から0.84へ一度低下しています。
しかし、その後再び増加し、11月下旬には52.93まで上昇しました。
今年と昨年の状況は同じではありませんが、一度患者数が下がったからといって、そのまま流行が収束するとは限らないことが分かります。

今後は再び増加する可能性があります
過去の全国データを見ると、インフルエンザの流行曲線は必ずしも一直線に増えるわけではありません。
流行の途中で一時的に患者数が減ったり、横ばいになったりした後、再び増加するシーズンもあります。
現段階では「ピークを越えた」と判断するより、「一時的な減少の可能性があり、今後再上昇するかを確認する必要がある」、と考えるのが妥当です。
10月後半〜11月の動きに注意
過去のシーズンでは、本格的な流行のピークが11月から冬にかけてみられることが多くあります。
昨シーズンの岐阜県でも、10月末から急速に患者数が増加しました。
そのため、今シーズンも9月の早い段階で流行が始まったものの、現在の流行が今シーズン最大のピークだったとはまだ考えにくい状況です。
10月後半から11月にかけて、現在より大きな流行がみられる可能性もあります。
ただし、流行のピーク時期や規模を正確に予測することはできません。
今後も毎週の定点当たり報告数を確認しながら、流行の変化をみていく必要があります。
新型コロナウイルス感染症もみられています
第40週の新型コロナウイルス感染症の定点当たり報告数は、
岐阜県全体 1.71
岐阜市 0.44
でした。
現在も、インフルエンザだけでなく新型コロナウイルス感染症の患者さんがみられます。
発熱、咳、のどの痛み、倦怠感などはどちらでもみられるため、症状だけで区別することは困難です。
「周囲でインフルエンザが流行しているからインフルエンザだろう」と決めつけず、症状や経過に応じて判断する必要があります。
ワクチン接種前にインフルエンザの罹患した場合
今年は例年より早く流行が始まっているため、ワクチンを接種する前にインフルエンザにかかってしまったという方も少なくないと考えられます。
一度インフルエンザに感染した場合でも、インフルエンザワクチンの接種が推奨されます。
インフルエンザには複数の型・亜型があり、一度感染したからといって、そのシーズンに流行するすべてのインフルエンザに対する免疫が得られるわけではありません。
そのため、
「一度インフルエンザにかかったので、今シーズンはワクチンを接種しなくてもよい」
とはいえません。
注射のインフルエンザワクチンの場合
注射で接種する不活化インフルエンザワクチンは、抗インフルエンザ薬を使用したことによってワクチンの効果が低下するとは考えられていません。
そのため、抗インフルエンザ薬を使用したことを理由に、一定期間あける必要はありません。
発熱や全身状態が改善し、接種できる体調に回復してから接種します。CDCも、インフルエンザ治療・予防に使用する抗ウイルス薬は、不活化インフルエンザワクチンに対する免疫反応には影響しないとしています。
フルミストの場合
フルミストは、弱毒化したインフルエンザウイルスを使用する経鼻生ワクチンです。日本国内の電子添文でも、抗インフルエンザ薬によりワクチンウイルスの増殖が抑制され、ワクチンの効果が弱まる可能性があることから、併用に注意するよう記載されています。
ただし、日本国内の添付文書には、抗インフルエンザ薬使用後に何日あけるかという具体的な日数までは規定されていません。
参考として、米国CDCでは以下の間隔が示されています。
| 抗インフルエンザ薬 | フルミスト接種までの目安 |
|---|---|
| オセルタミビル(タミフル) | 48時間以上 |
| ザナミビル(リレンザ) | 48時間以上 |
| ペラミビル(ラピアクタ) | 5日以上 |
| バロキサビル(ゾフルーザ) | 17日以上 |
また、フルミスト接種後2週間以内に抗インフルエンザ薬を使用した場合には、ワクチンウイルスの増殖が抑えられ、十分なワクチン効果が得られない可能性があります。
そのため、インフルエンザにかかって抗インフルエンザ薬を使用した後にフルミストを希望される場合には、使用した薬剤と最終投与日を確認したうえで接種日を決めます。
※上記の「48時間・5日・17日」という具体的な間隔は、米国CDCの推奨を参考にしたもので、日本国内の添付文書に規定された間隔ではありません。
今後も最新情報を更新します
第40週の岐阜県は、前週より患者数が減少しました。
しかし、全国では再び増加しており、過去の流行でも一時的な減少後に大きな流行となった例があります。
そのため、現時点では流行が落ち着いたと判断せず、今後の増加に注意する必要があります。
当院でも、岐阜県・岐阜市・全国の最新データを確認しながら、今後も定期的に情報を更新していきます。
インフルエンザの症状、検査を受けるタイミング、治療、学校や仕事を休む期間については、当院の「インフルエンザ|症状・検査・治療・受診の目安」もご参照ください。
インフルエンザワクチンの説明は以下をご覧ください
当院について
いろはなクリニックは、岐阜市則武東にある 内科・血液内科・小児科 のクリニックです。
私たちは、「いろ(その人らしさ)」「はな(笑顔・やさしさ・本来の健やかさ)」「ohana(家族や仲間のような支え合いの心)」を大切にし、医療を通じて安心とつながりが育まれる場を目指しています。
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小さな不調や迷いの段階でも、どうぞ気軽にご相談ください。

編集・監修者
いろはなクリニック 院長 柴田 悠平
- 医学博士
- 日本内科学会 総合内科専門医・指導医
- 日本血液学会 血液専門医・指導医
- 日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医・指導医